日本人が英語を話せない驚きの3つの理由

日本人はなぜ英語が話せないのか?その3つの理由

海外旅行先で、「中学と高校6年も英語を勉強しているの?」とよく外国人に驚かれたものでした。そんなに習っているのになぜ全然話せないの?…と思われてしまっていたと思います。

ほとんどの日本人が義務教育できちんと英語を勉強しているのになぜ話せる人が少ないのでしょうか。
大きく分けて3つの理由を挙げてみたいと思います。

理由その1.日本語と英語では言語がまったく異なる

ヨーロッパの言葉と英語は語源が同じものもあり、文法も似ていますが、日本語の文法は完全にオリジナルと言ってもいいほど他の言語とは似ていません。だから日本語の文法を習得した頭で英語を話そうとするとなかなか受け入れないところがあるのです。

主語がなくても伝わる

「英語を勉強します」と、日本語は主語がなくても通じます。文法通りに話さなくても日本語は伝えることができるのです。

ところが英語では誰がというのが必ず必要です。「I study English.」と、主語と動詞と目的語をきちんとした文法で言わなければなりません。

複数形などが曖昧

英語では、1コのものに「a」をつけたり、数えられる複数のものに「s」をつけたり。また、名詞の前には「the」をつけたり、「誰の」お父さんなのかを明確に言わないといけないこともあります。
日本語ではそのあたりはニュアンスでわかってほしいという感覚なので、数や名詞の関係を考えることは日本人にとってとても難しいのです。

時制が曖昧

「I’m playing tennis.」は今まさにテニスをしている場合に使われますが、それ以外にも「I play tennis.」「I have played tennis.」「I have been playing tennis.」と、日本語ではどれも「テニスをしています」という言い方でOKなものが、英語では微妙にニュアンスを変えなければなりません。

つまり、日本語は曖昧でも相手に伝わることに対して、英語は論理的に主語や動詞、目的語をはっきり伝えないと意味が通じないのです。

理由その2.日本の英語教育がおかしい

義務教育で学ぶ英語はコミュニケーション手段を学ぶ場ではなく、受験のための英語になってしまっています。

受験に合格することが優先なので、読み書き中心、文法重視で、話せる英語をほとんど教えていません。

先生がテストに出る文法を教えて、生徒はそれを書き留めるだけ。勉強量は多いので文法や単語をたくさんおぼえるのですが、成績は上がっても話せるようにはなりません。

英語教育が及ぼす影響

学校での受け身な授業の影響で、「正しい文法で話せているか」、「間違えたら恥ずかしい」ということばかり考えて、話すことが困難になってしまっています。間違えることが良くないことだという考えが根付いてしまっているのです。

リスニング

TOEICの点数を800点以上とった人が「全く英語が話せません」と言っていました。TOEICはリスニングと読解の問題のテストです。

聞いたことを理解できれば高得点が取れます。なので、会話の能力はまったく別物だといえます。

もちろん相手の言っていることがわからないと会話にならないので、リスニングの力は必要です。が、リスニングができるようになったとしても、聴くばかりで質問に答えるだけでは会話としては成り立たないのです。

英語を教える教師たち

学校の英語の先生で英語を話せない人が結構います。

残念ながら英語の教師の資格は英語を話せなくても取得できます。

教えている人が英語を話せないなら、生徒の会話力が上がるわけがありません。 

海外の学校教育

外国人は自分の意見を話せる人が多いです。

それは幼い頃から学校でディスカッション重視の授業をしていることが関係していると思います。

間違っているか正しいかどうかより、自分の意見を言える人が評価されるので、どんどん自分の意見を話せるようになります。

そして会話やコミュニケーションが上手になっていくのです。自然に相手のよいところを見つけて、ほめたりして、うまく会話ができます。

反対に日本人はそれが苦手。感情をおもてに出さずみんなに合わせるのが優先です。

それは外国から見ると、考えを持っていないというマイナスの評価を受けることにつながっています。

理由その3.日常生活に英語が必要ではない

日本ではほとんどの人にとって、普段の生活の中で英語が必要で英語を話さなければならない機会が全くといっていいほどありません。

話す機会がないと、国際社会で英語は必要だとぼんやり考えていても、特に差し迫って英語を話す必要性も感じられませんし、あまり話したいという気持ちにもなりません。

日本と海外の英語環境の違い

ヨーロッパの辺りでは、様々な人種が住んでいるので、コミュニケーションをとるために共通語となる英語で会話をすることが日常的にあるそうです。

また、香港などでは理科や数学の授業は自分の国に教える人がいないため海外から教師を呼ぶことが多く、授業は英語で行います。

日本はほぼひとつの民族が住んでいて、自分の国に優れた教師がそろっているという点では恵まれているのかもしれませんが、英語を話す環境には恵まれていないのかもしれません。

話す機会がないとモチベーションがあがらない

海外旅行先や、外国人に道をきかれたときなどに、「もっと英語を勉強しておけばよかった」「もう一度英語をやり直そう」という気持ちになったことはありませんか?

日常的に英語を話す機会があれば、いつもそんなモチベーションを保っていられるでしょう。でも英語を話す機会がないと、当然ながら英語を勉強しようという意欲が湧いてきません。

「通じた!」という喜びがあったり、成長を感じられることによって英語のスキルが伸びていきます。

ダイエットと同じで成果があがればもっと頑張ろうと取り組めるものですが、英語のレッスンを受けてもそれを生かせるところがなければすぐに忘れてしまいます。

そうなるといよいよ勉強をする意欲がなくなり、そのうち英語を話す必要さえないと思うようになるのです。

話すには繰り返し練習が必要

英語を話すためには、ひとりで本とにらめっこする勉強ではなく、声を出して話す練習が必要です。ほとんどの人が学校で文法や英単語をおぼえる勉強は充分しているのに、実際理解もできず話せない人が多いのは練習不足だからです。

野球で言えばバットで素振りは何度もしているのに、実際にボールを打っていないようなものです。実践で話して間違えてどんどん吸収していきましょう。

まとめ

このように、日本という国で英語を話せるようになるには至難の業かもしれません。ですが、英語を話す環境をつくり、モチベーションをあげてさえいければ、高い教材など必要なく、英語を習得することは可能なのです。

ぜひ少しずつ英語を話せる環境を整えていきましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

大阪府出身千葉県在住。帝塚山短期大学英米語学科卒。J-Shine小学校英語指導者資格認定者。 区役所施設内のコミュニティセンターで10年程子ども英語サークルを開いたのち、アルクKiddyCAT英語教室認定教師をしていました。今は英語の仕事は休業中ですが、子ども英語教育には関心があります。