アメリカ子育ママが語る、個性をつぶす日本の教育の問題点とは

個性を潰す日本の教育

自分の子供には、個性を伸ばす教育を受けさせたいと思いませんか?

この子だけにしかない良いところ、個性をどんどん伸ばしていってほしい、かわいらしい我が子の顔を眺めながら、そう願う親は多いでしょう。

しかし、その願いが吹き飛んでしまう瞬間があるようです。

私の住む地域では、お受験の時期になると、ママたちは一斉に紺のスーツを身にまといます。ある有名私立幼稚園の受験説明会に参加した時に、私以外ママたち全員紺のスーツを着ていて驚いたことがあります。

「みんな同じ」ことに違和感を持たない日本人に恐怖すら感じてしまいました。

受験のために、子供たちは模範的な回答ができるように塾に通い、模擬面接をこなし、学校が求める理想像に近づけようと努力します。

教育熱心なのはすばらしいことなのですが、この子だけの個性をのばしていきたいという願いはどこにいってしまったのでしょうか?

アメリカで4年間3人の子供たちを現地の小学校に通わせた経験から、日本の教育の問題点、個性を伸ばす教育について考えました。

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みんなが同じものに夢中になる日本

アメリカで現地の学校に子供を通わせていた時のことです。

日本にいる友人に「アメリカの子供達には何が流行っているの?」と聞かれたことがあります。日本では妖怪ウォッチがはやっていて、クラス全員が夢中になっていると言います。

流行っているもの・・・正直なところ、これといって思い当たりませんでした。

アメリカでは、ポケモンGoはみんな知っていたし、Wiiを持っている子もいたし、うちの息子はマインクラフトにハマっていました。でも、みんなが夢中になっているものというのが、なかったのです。

なにか流行り始めるとみんながそれに飛びつくというのは、日本独特なものなのだと感じました。

自分がそれに興味があるというより、周りの子がやっているから、みんな持ってるからという理由で同じものをほしがるのは、日本ではよく見る光景ですね。

アメリカの子はもっとマイペースです。興味があるものがはっきりしていて、仲のいい友達が他のものに夢中になっていても、興味がないものは興味ないといった感じでした。

これは教育の違いによるものなのでしょうか。

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日本の教育水準

現在の日本の教育は、平均的に大勢の基礎学力を上げることに成功しています。

OECDのProgramme for International Student Assessment(PISA)テストの結果を見ると、日本は全てにおいて高い水準を示しています。

Average Score of PISA Mathematics, Science and Reading:

1.

Singapore

551.7

2.

Hong Kong

532.7

3.

Japan

528.7

4.

Macau

527.3

5.

Estonia

524.3

一見いい教育をおこなっているようにも見えます。しかし、みんなを平均的に伸ばそうとすると、どうしても教育の内容は画一的になります。

どの教科もオール5を良しとする日本の学校教育の考え方は遅れているのです。

これからのグローバル社会では、全てが満遍なくできる平均的な人よりは、一つの分野に極端に優れている人の方が成功する確率が高いのです。

平均的に何でもこなせる人材より、ある分野に特化している個性的でオリジナリティがある人材を育てるという意識が日本の教育にはないように感じます。

教育要領によると、全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするための基準を定めているといいます。

たしかに、東京や一部の大都市と、地方の都市で教育の水準が違っては困ります。また、個性を伸ばすと言って、好き勝手な授業をすればいいというものでもありません。

しかし、文部省の規定しているカリキュラムは、科目ごとの授業の時間数、目あてや教育内容も事細かに定めています。学校や教師の裁量に任されている部分が非常に少ないのです。

現状では、どの先生が教えても、あるレベルには到達することは出来ても、特別に秀でるのは難しいといったところでしょう。

これでは、個性を伸ばすとはほど遠いのが現実ですね。

また、日本の学校で使っている教科書は国の検定を通ったもので定まっていますが、欧米の先進国ではそれぞれの学校がどの教科書を使うか決めることができます。

画一的に同じような人間を育てる日本の教育はこれまでの時代はよかったのかもしれませんが、競争が激しくなるグローバル社会では、そのような人材は果たして活躍する場所があるのでしょうか?

「無難な人材」が求められてきた日本

個性 排除 日本の教育

これまでの日本の学校や企業では、「とにかく言われたことをやる」ということが評価されてきました。イエスマンで、長時間働くこと、とにかく勉強して知識を詰め込むことが奨励されてきました。

高度経済成長期には仕事をすればするだけ成果が出たので、それでも成り立っていました。

しかし今はグローバルな競争力が必要となり、年功序列制や終身雇用は消えつつあります。

上からの指示を待って、言われた通りに動くことだけに長けている人材は、これからAIにそのポジションを取って代わられる危険もあります。

私達は自分の頭で考え、行動することが求められているのです。

関連記事:英語は当たり前!AI時代を生き抜く子供たちに必要な力と子育ての戦略

大学全入時代となり、受験のあり方も見直されるようになりました。しかし、まだまだ遅れていると感じざるを得ません。

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個性を伸ばすために日本の教育に必要なのは?

日本人には、勤勉さや真面目さといった強みがあります。アメリカに住んでいると、日本人の仕事や勉強に対する姿勢は本当にすばらしいと感じました。

足りないのは、独自性、交渉能力、ディスカッション能力といったところでしょう。

日本では子供が自由に発言する機会が少なすぎるのです。

「誰がしゃべってる!?勝手に喋らない。」授業中に、こんな担任の言葉はよく聞かれます。

アメリカの小学校では、教科書と言えるものがほとんどありませんでした。

ワークブックを使ったり、随時プリントを配ったりはしましたが、教科書に沿って1ページずつ進んでいく、という授業がほぼなかったのです。

私はクラスボランティアになるべく入って、その様子を観察していました。

クラスは、ディベートやディスカッションなどの形式ばったものではなく、自由に発言していくスタイルでした。

先生がなにか話したことに反応して、みんなが発言します。人の話を遮らないように、先生が交通整理のような役割を果たしていました。

いつも発言する子もいれば、なにも言わない子もいます。先生は無理に発言させようと促したりしません。

アメリカは「言ったもの勝ち」の世界です。

言わなければ損をする、そう思って子供たちも主張します。そうやって人前でアピールする力を自然と身につけているのです。

人と違うことを言ってしまわないかと恐れることなく、思ったことを自由に発言できるたくましくさは羨ましく感じました。

日本はカリキュラムにとらわれすぎて、そういった機会が奪われているのではないかと思います。

関連記事:バイリンガル育児に成功したママが考える、日本の教育の現状と5つの問題点

まとめ

いかがでしたか?急速に進むグローバル化、IT化に対応するために、それぞれが個性を伸ばせる質の高い教師の育成、教育システムの構築が急がれます。

私たち親は、周りに流されることなく、個々の子供に必要な教育機関を見極めて、我が子にあった教育を選択していきたいですね。

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ABOUTこの記事をかいた人

3児のママでアラフォー主婦。
ロサンゼルスに4年在住し、現地の子育てを経験。
帰国後は、ジュニア英会話講師、英語教育に関する記事の執筆を中心に活動。
学び直しのため大学に編入し、現在は2度目の女子大生を満喫中。